11月19日『テレフォン人生相談』より。
相談者は37歳女性。兄嫁の事で相談。言葉がキツイ兄嫁はいつも兄や子供達に怒鳴りまくっている。兄夫婦と同居している実母にまでもその被害が及んでおり、たまりかねた妹が、誰か兄嫁にガツンと言って欲しいと助けを求めてきた。
パーソナリティ:今井通子
回答者:三石由起子(作家・翻訳家)
今井通子:もしもしテレフォン人生相談です。
相談者:もしもし、よろしくお願いします。
今井通子:今日はどういったご相談ですか?
相談者:今日は兄のお嫁さんのことで相談です、お願いします。
今井通子:まず、あなたおいくつ?
相談者:37です。
今井通子:37歳、結婚してらっしゃる?
相談者:はい。
今井通子:ご主人おいくつ?
相談者:37です。
今井通子:37歳、お子さんいらっしゃいますか?
相談者:はい、小3と小1の女2人です。
今井通子:はい、あなたのご兄弟として、お兄さんがいらっしゃるわけね。
相談者:はい。兄と弟がいます。
今井通子:お兄さんはおいくつ?
相談者:39です。
今井通子:弟さんは?
相談者:32です。
今井通子:32歳、お兄さんの奥様はおいくつ?
相談者:38です。
今井通子:38歳。その方とあなたの問題?
相談者:いえ、私・・・仲が悪いってわけじゃないんですけど、兄のお嫁さんの性格ですかね。外ではおっとりした感じでいい人なんですけど、家だと兄や子供に「早く何々やれ」って命令口調ですね。
今井通子:はい。
相談者:毎日必ず怒ってるですね。めんどくさがり屋な性格なのか、自分が得すればいいってズル賢いようなところもあったり、兄に「何々やれ」って指図してばかり。
今井通子:はい。
相談者:子供が大きくなってくれば少しは丸くなったりするのかなと思ってたんですけど、変わらない・・・もう40手前にもなるし、怒りすぎたなとか自分で気づかないのかなっていう感じで・・・私の実の母にもあまり可愛くなく、少しバカに見下しているような感じもあって、私の父が高校の頃に亡くなったっていうのもあるのかなと思ったり・・・なんか茶碗を洗うのも「めんどくさい」とか、子供に「お風呂洗え」とかって毎日家で怒るので、それを聞いている私の母もなんか「遠回しに私に言っている」ように思って、毎日そういう怒鳴り声が嫌になっちゃう・・・全くつまらない人を怒ってばっかり・・・私の兄もガツンと言ったこともあったんでしょうけど、すぐ「実家に帰る」とか言うと兄も困っちゃうのか・・・あまりガツンと怒る人もいないっていう感じで・・・どうしたらいいかなと相談しました。
今井通子:なるほど。今のお話の中で、あなたのお父様はもう亡くなっちゃってるんだけど、お母様はそのお兄さんと一緒に住んでるの?
相談者:そうです。実の母と兄と嫁と一緒に住んでます。
今井通子:なるほど。お母様はいくつなの?
相談者:67です。
今井通子:67歳。お兄様とお嫁さんの間にはお子さんは何人?
相談者:中3、小6、小1で3人子供が、男女女でいます。
今井通子:はい。今あなたは一緒に住んでらっしゃるわけじゃないのよね。
相談者:はい。一緒に住んでないんですけど、車で行ける距離なので、私の子供も「いとこ同士遊びたい」って言ってしょっちゅう遊びに行ってます。
今井通子:なるほど。それであなた自身は現場を見てるわけ?
相談者:私は行っても、私の前でも平気で「何々やってよ」とかって怒ったりしますし、私の実の母の前でも全然平気で怒っているので現場を何度も昔から見てます。
今井通子:例えばお兄さんとかお母様とか、もしくはこの家族の子どもたちとかに「お母さんが怖い」とか「お母さんにしょっちゅういろんなことを言いつけられて」とかっていうような愚痴を聞かされたことはあるの?
相談者:愚痴を聞くのは私の母からですね。
今井通子:お母様から。
相談者:そうですね。
今井通子:お母様はどんな愚痴を言ってるの?
相談者:「また昨日の夜もこんなことで怒ってて、まったくなんであんなに怒るんだろう。毎日怒ってるよ」って私に愚痴をよく電話で。
今井通子:なるほど。現場ではお母様からの愚痴がほとんどで、他の人からはあまり聞いてないわけよね。
相談者:そうですね。
今井通子:あなた自身がお母様の思いを感じて、どうしたらいいかなっていうご相談をくださったわけ。
相談者:そうですね。このまましょうがないのか、それとも誰かが言ってくれるか・・・
今井通子:うん。で、あなたのご主人の方にご相談されたりってしたことある?
相談者:あります。私も女兄弟がいないから、子育ての面とかもちょっと見本みたいにしてる時があって、だからそのお姉さんの怒るようなところが自然と身についちゃってて、私も家で「何とかやって」とかって言っちゃってた自分がいたんですよ。
今井通子:なるほど。
相談者:そうすると旦那が「あれは間違ってるぞ。ダメな見本だ」って言ってます。それで私もそうかって思って。
今井通子:直接お兄さんに聞いたことはないの?
相談者:言ってますね。いない時は。「なんであんなに怒るのかな」とか言っても、兄もなんか黙ってますね。
今井通子:なるほどね。
相談者:なんか兄ももう分かってるけど、「それはもう言えない」みたいな感じです。
今井通子:あなたのうちはむしろ見本にして、それによってご主人が「あれは間違ってる」って言って、あなた自身はそれに気づいてやめた。
相談者:そうですね。あまり怒ってるのは子供も良くないことですし、怒らないようにしなきゃなって思いましたけど。
今井通子:ふふふ(笑)ある意味反面教師になっていて、あなたのところには良かったかもね。
相談者:はい。
今井通子:そうすると今日のご相談としては。
相談者:兄のお嫁さんにガツンと怒る人がいないから、今後どうしたらいいのかなと思って。
今井通子:分かりました。今日は三石メソード主催で作家で翻訳家の三石由紀子先生がいらっしゃいますので伺ってみたいと思います。
三石由起子:こんにちは!
相談者:こんにちは。
三石由起子:このお兄ちゃんのお嫁さんの子供3人って、生まれた時からこういうお母さんじゃない?
相談者:そうですね。
三石由起子:だからこの子たちはね、これが普通だと思ってると思うんですよ。それでね、アドバイスをすれば、まず一つ目はね。もう38歳の女の人・・・どうやっても治んない。しかもね、あなたは義理の妹じゃない。
相談者:はい。
三石由起子:それはね、反発されるだけでね、いいこと一つもないから、止した方がいい。
相談者:ああ・・・
三石由起子:それとね、誰かがガツンと怒ると言っても、どういう立場の人がやったとしても、反発されるだけだから、これは止した方がいいと思います。
相談者:あぁ・・
三石由起子:それとね、あなたができることなんだけど、一つ目はね、やっぱりね、お母さんはね、やっぱりね、辛いんだと思うんだよね。
相談者:はい。
三石由起子:だから、あなたができることはね、もう本当に愚痴聞いてあげたらいいと思う。「そうよね」って「嫌よね」って。「お母さんよく我慢してね、大変ね」ってねぎらってさ、それしかないと思うのね。
相談者:そうですねぇ。
三石由起子:それとね、もう一つはね。あなたが「伝染る」って言ったけど、そこは甘いよね。
相談者:うーん。
三石由起子:あのね、やっぱりそういうのを見たら、あなたがね、それを本当に反面教師にしてね、嫌が上にも優しくしなきゃダメよ。だから行った時とか、もしね、強い口調で何か言ってるなと思ったら、全然関係ないことをものすごい優しい口調で自分の子供に言うとか、その子たちに言うとか、そうすると子供って敏感だからそのうちにね「なんとかちゃんのママ優しいよね」っていうことが分かってくるのね。
相談者:はい。
三石由起子:そうすると「うちのママはきついんだ」っていうか「普通じゃないんだ」っていうか、「言葉が強すぎるんだ」ってことがわかるのね。
相談者:うん。
三石由起子:子供ってわかんないのよ。「自分の母親は普通だ」と思ってますから、中学になっても高校になっても普通だと思ってんのね。20歳くらいになってね、おや?って気がつくことはあるんだけど。
相談者:うーん。
三石由起子:だから子供たちはなんとも思ってないし、ましてやさ、お兄ちゃんはさ一家でうまくやってんのよ。
相談者:そうですね。
三石由起子:だからね、なんか言われたらね「大きなお世話だ」と思うよね。だってさお兄ちゃんが我慢してることをさ、妹がグズグズ言う必要ないわけよ。
相談者:そうですか。
三石由起子:「そんなね、グズグズ言うんだったら遊びに来る」なって話だと思うもんね。
相談者:そうですね。
三石由起子:そう。だからあなたはね、そういうのを聞いたら母親にはすごくねぎらってさ。「大変ね」ということを、いないときに同情してあげていいんだけど、そういうのを見たらもう本当にね、わざとね、わざと優しく自分の子供やお兄ちゃんの子供にするようにすると、子供わかるから「こっちの方がかっこいい」とか「こっちの方が上品に見える」とか。
相談者:はい。
三石由起子:そうすると、必ず何とかおばちゃま・・・あなたのことだけど、「真似しよう」っていうふうに思うからね。「お母さんの真似しちゃダメなんだな」っていうことをわかるから。
相談者:はい。
三石由起子:でもそんなことを言葉にしちゃダメなのよ。言葉にしたらね、これ腹立っちゃうから。だからあなたがうっかり真似なんかしてる場合じゃないわけ。
相談者:はい。
三石由起子:だから行く時はやっぱり心してっていうか、「よし今日は強い言葉を聞いたら、こんな風にこういう言葉で違う話をしよう」とかさ、「こんなテンポでこういう話題の話しよう」とかさ、そういうことをあなたちょっと覚悟して出かけていくっていうか。
相談者:はい。
三石由起子:それがやっぱりね、あなたも女の子2人だし、向こうも女の子2人だし、向こうの女の子の方が小学校6年だからもう大きいからね。もう敏感にわかると思いますよ。そうするとねあなたの真似をしようとするはずなのね。必ず気がつくはずだから。言葉にしちゃダメですよ。
相談者:はい。
三石由起子:だから怒ってくれる人はいないし、もしいたらあなたが止めなきゃいけないよ。「よそんちのことだからほっときなさい」って。
相談者:そっかぁ。
三石由起子:あなたが嫌いなだけで、この兄嫁はいいと思ってやってるんだと思うよ。子供のしつけっていうかさ、「ビシッと言うときは言うんだ」っていうさ。これは治んないですし、治んないっていうか悪いと思ってないから。
相談者:うーん。
三石由起子:だからそれね、どういう風にするかっていうのを選ぶのは子供だから、あなたがもう一個のサンプルを見せてやるっていうかさ。だから比較させてやるくらいの気持ちで、あなたがそういう気持ちで望むことが大事だと思う。
相談者:うん。
三石由起子:それとこのお母さんはね、本当にねぎらってあげて。
相談者:そっかぁ。
三石由起子:「でもお兄ちゃんがいいって言ってるんだから、お母さん我慢して」くらいのこと言ってもいいと思うよ。
相談者:分かりました。言ってマイナスなこと言うより・・・
三石由起子:ダメだダメだ。何にもいいことない。
相談者:何にもいいことない・・・そうですよね。分かりました。
三石由起子:頑張って。
相談者:そういう風にして。頑張ります。ありがとうございました。
三石由起子:はい。
相談者:失礼します。
今井通子:お分かりいただけましたか。
相談者:はい。ありがとうございました。
今井通子:ある意味では、余計なお世話みたいな。
相談者:余計なお世話でしたね。
今井通子:なんですが、ただそのお姉さんがそういう態度になっちゃうにはなんか原因があるかもしれない。
相談者:そうですよね。
今井通子:だからお兄さんに家庭内でお姉さんをちょっといたわってあげるように逆にアドバイスした方がいいかも。
相談者:そういうこと・・・そっちのアドバイスってことか。
今井通子:ちょっとお兄さんがお姉さんに対して優しい言葉をかけたり。
相談者:なるほど。
今井通子:「ちょっと今日はいやに綺麗だね」とか「生き生きした顔してるね」そういう話でもいいけど。
相談者:はい。
今井通子:みたいにすると変わっちゃうんじゃないかな。いずれにしても三井先生がおっしゃっている通りあなた自身が彼女にね、何かをするとか叱ってくれる人探すとかっていう直接的な動きはしない方がいいですね。
相談者:はい、わかりました。
今井通子:はい、じゃあそういうことで。
相談者:はい、どうもありがとうございました。
今井通子:失礼します。