夫が詐欺に合い老後の資金を詐欺で失った夫婦。夫への不信感と愛情の間で揺れる妻の悲しみ

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夫が詐欺に合い老後の資金を詐欺で失った夫婦。夫への不信感と愛情の間で揺れる妻の悲しみラジオのことば

11月5日放送『テレフォン人生相談』より。

68歳の相談者は、10歳年上の夫が詐欺被害に遭い、老後の蓄えがほとんど失われてしまったことに苦しんでいる。夫は、仕事関係で知り合った人物に騙され、少額の借金から始まり、徐々に金額が膨れ上がり、最終的には5000万円もの金額に達したという。夫は詐欺師の言葉を信じきってしまい、妻や家族の制止を振り切ってお金を渡し続けた。夫がようやく騙されていることに気付き謝罪してからも、相談者の心には深い傷が残っており、以前のように夫と一緒に老後を楽しむ気持ちが持てなくなっている。

パーソナリティ:今井通子

回答者:モンテッソーリ教育教師 藤崎達宏

パーソナリティ:今日はどういったご相談ですか?

相談者:夫が、詐欺に騙されまして。私たちが貯めた・・ お金・・・老後のために蓄えてたものが、ほとんど、なくなってしまったんですね。

パーソナリティ:はい

相談者:それは、それで・・あちこち相談して、手続きなどはしているんですが。戻ってくることはないと私は、諦めてます。

パーソナリティ:はい・・

相談者:それはそれで、いいんですが・・

パーソナリティ:はい

相談者:夫に対して私の気持ちが、許そうと思っても許せない?

パーソナリティ:うん・・

相談者:そういう気持ちがずっと・・詐欺にあったということ 、が、わかってから?その気持ちが、どうも・・以前のように・・老後を、2人で一緒、に、「何して暮らそうね」とかっていうことが、全く・・気持ちとして持てなくなっちゃったんですね。

パーソナリティ:はい

相談者:それで、どういう風に自分の気持ちを持っていこうか・・毎日、悩んでるわけです。

パーソナリティ:なるほど。まず、あなたおいくつ?

相談者:68です。

パーソナリティ:68歳、ご主人は?

相談者:78歳です。

パーソナリティ:10歳違うのね?

相談者:はい、そうです。

パーソナリティ:お子さんいらっしゃいますか?

相談者:2人、おります。

パーソナリティ:男女、年齢をおっしゃっていただける?

相談者:あ・・はい。女の子2人で。42と44です。2人とも結婚して、独立してます。

パーソナリティ:もう、独立されてますね?

相談者:はい

パーソナリティ:お孫さんいらっしゃる?

相談者:はい、おります。2人ずつです。

パーソナリティ:そうですか。で、まずですね、「詐欺に騙された」って、どんな詐欺だったんですか?

相談者:4、5年前になるんですね。最初は。で、仕事関係で知り合った人・・に、「ちょっと事業のために、お金を貸してくれないか」と。

パーソナリティ:うん

相談者:で、最初断ってたらしいんですが・・貸す羽目になって。貸してすぐに戻ってくると思っていたら、それを返すために、また、いくら貸してほしい・・が ずうっと続いてしまって。

パーソナリティ:うん

相談者:で、私が、変だと気がついた時に、夫に・・言ったら、夫は、「大丈夫だ」と。「そんなことないから心配するな」って言われて・・

パーソナリティ:それって・・どれぐらいの金額を、どれぐらいの時期から、(含み笑い)どれぐらいの時期みたいな・・

相談者:そうですねえ、4、5年前に、10万・・かして・・

パーソナリティ:ああ、そんなとこから始まったのね?

相談者:はい。そしてその後、50万とか100万とか。

パーソナリティ:うん、だんだん大きくなって。

相談者:1番多い時、1日に、500万ぐらいあったかしら。

パーソナリティ:あらっ。

相談者:そして、大体、合計金額で、5000万ぐらいですね。

パーソナリティ:うん・・

相談者:で、途中で・・ 夫、洗脳されちゃって、すっかり。私が、「やめて」って言って、「私とそっちの人を、どっちを信じるか」っつった時に、「向こうの言うことが間違ってないから大丈夫だ」って・・私のことを信じてくれないで、私の手を振り切るようにしてお金持っていってたんですね。

パーソナリティ:あああ・・

相談者:そのことがどうも私の心の中に、すごい傷になっちゃって。

パーソナリティ:まあ、そうですよねえ・・

相談者:で、今、あのう、全部気がついて、「悪かった」と・・謝られても・・許せないってところがどうしてもあって。すごい、心、狭いなあと思うんだけど・・

パーソナリティ:なるほど。これってえ、あれですかね。お嬢さんたちには、ご相談なさった?

相談者:はい。心配かけるから相談しようと・・思わなかったんですけど。

パーソナリティ:ええ

相談者:玄関先で、夫がお金を持ってこうとしてるのを、私が、止めて。2人で、揉み合ってるところに、 たまたま娘が、用事があってきたんですね。

パーソナリティ:ええ

相談者:で、全部そこでバレました。

パーソナリティ:ああ。で、お嬢さんたちは、どういう風に、思ってらっしゃる?っていうか・・言ってらっしゃるの?

相談者:あ・・もう、娘たちは、あのう、その場で、「そんなに」、あのう、「お父さんが、どんどんお金持ってっちゃって、それでも『大丈夫』だって言ってるんだったら、もう、この家もなくなっちゃうかもしれないから、即離婚しろ」と。

パーソナリティ:ええ。

相談者:大変な騒ぎをしたんですが、娘たちは、今・・裁判とかにもなってるんですけれど、全部娘たちが手続きとか、弁護士の先生たちとか、やってくれて。

パーソナリティ:うん

相談者:警察の相談も、一緒に付き添ってってくれてます。

パーソナリティ:なるほど・・で、あなたのお気持ちとしてはですねえ、離婚する気は、ないの?

相談者:あ、もう、あそこのところの・・修羅場というか、そういうものは、過ぎ去って。夫も、気が付いて「俺は騙されてたんだ」っつって。「申し訳なかった」と言って、謝ってくれているので・・

パーソナリティ:うん

相談者:で、もう、向こうの詐欺と接触しないように、もう1番ひどい時は、お金も、車のキーも、何もかも取り上げて、どこにも出かけらんないようにしちゃったんですね。そうじゃないと、詐欺に会いに行っちゃうんです。

パーソナリティ:はい。

相談者:ええ

パーソナリティ:それはわかったんですが。離婚する気は、ないんでしょ?そうすると。

相談者:その、当時は、もうこのまま目が覚めないんだったら、本当に離婚して、暮らそうと思ってました。

パーソナリティ:はい

相談者:だけど、 夫が謝ってくれたし、これから一緒に?・・「やり直したい」って言われたら、そんな・・冷たいことできませんよね?

パーソナリティ:おお。

相談者:朝、昼、晩、ずっと一緒にいますよね。

パーソナリティ:はい

相談者:で、何気なく、会話をしてくるんですけれど。例えば・・「花が綺麗に咲いたね」って言ったって、「知るかい」って思ったりね。

パーソナリティ:あははは うんうん・・

相談者:私自身の心が、嫌・・

パーソナリティ:うん・・わかります・・

相談者:誰かに話したかった・・

パーソナリティ:うん・・で、そうすると、ご相談は。

相談者:相談は・・私の気持ちを、どう立て直し、て、いいのかわからなくって。

パーソナリティ:わかりました。 今日はですね、モンテッソーリ、教育教師の、回答者さんがいらしてますので、伺ってみたいと思います。

相談者:お世話になります。

回答者:はじめまして。

相談者:よろしくお願いいたします。

回答者:藤崎と申します。

相談者:はい。

回答者:まず、あの・・この詐欺に、合われる前まではどうだったんですか?、ご夫婦の関係というのは。

相談者:あ、ごく普通だと思います。喧嘩をしたり。色々旅行を楽しんだり。

回答者:うん。僕はちょっとあれだったのは、あの・・お嬢さん、たちがね、「すぐに離婚しろ」・・って、おっしゃったんですね?、その場でね。

相談者:ええ・・

回答者:背景あるんですか?なんかこう・・

相談者:「離婚しろ」っていうのは、その時にまだあのう、騙され続けてて、向こうの言うことを全面的に信じてて、自分の、兄弟からもお金を借りるようになって。このままだったら、家だって売られかねない。

回答者:うんうん、そうですね、負債も全部、奥様が追ってしまうようなことになったらね。

相談者:で・・娘たちが、「このままお父さんが目が覚めない状態だったら、とりあえず離婚しろ」って。

回答者:うん

相談者:「これ以上、お金をうちから持ち出すな」って言うんだけど、でも、 2人で、老後の資金として貯めていた共通のお金で。「通帳出せ」っつって、見せてもらったら、500円しか残ってなかったんですよね。

回答者:あーーなるほどね・・

相談者:でも、もう、それはそれで、過ぎたことで、仕方ないことなんだけど。本当は、老後は、2人で仲良くと思ってたのが・・

回答者:うん。ほんとですよねえ・・

相談者:そういう風に、思えない自分がまた嫌で・・

回答者:うん。じゃあ、今、ご主人が目が覚めてですよ、お子さんたちは、なんておっしゃってますか?

相談者:もう、今はそんなこと言いません。「 2人で、ご飯でも食べに行ったら?」っつって、食事券くれたりはしてます。けど・・もう贅沢、全く、できないので。

回答者:うーん

相談者:私たちは、もう、どこにも行かない・・

回答者:ああ、よくわかってきました、でも・・こういうのってあの・・何回もね、こういうことに、あってしまう方って、いらっしゃるじゃないですか。

相談者:実は夫、3回目なんです。

回答者:あー、やっぱり、そうか・・

相談者:うん・・

回答者:そこがちょっと心配ですね。

相談者:だから、もう、これ以上、お金の管理はもう、一切、させてませんし。

回答者:なるほどねえ・・ま・・ある意味では、奥様の方の、お気持ちの答えは、出ているけど。それをどう、自分の中で、整理すればいいかわかんないというような感じですかね?

相談者:そうです。

回答者:なるほどねえ・・これからね、また、長い人生の中で。今、すぐにこの・・答えは出ないと思うんですけれど、でも、やはり・・せっかく、まあ、これからね?、 同じ時間を、過ごしていくことになりますよね?やっぱりご主人にしても・・

相談者:そうですね。

回答者:この時間を、どうするかということと。

相談者:うん

回答者:もう1つは、その・・夫婦とは言っても、やっぱり・・1人1人の人生だと思うんですよ。

相談者:うん。

回答者:なので、ぜひご主人による人生じゃなくって。ご自分の人生を歩んでほしいということで、1度、なんかこう・・そういったものを、棚卸しじゃないんですけど。整理して、お考えになってみて。今、許せないものは許せないと思うんですよ、やっぱり。

相談者:うん

回答者:それはそれで、いけないことじゃないと思うんですね?、やっぱりね。

相談者:うん、あ、そうですか。

回答者:ね、だって、2人で貯めてたお金がね、500円とかになっちゃったら・・それはね、もう本当に・・許せないところは、あると思うので。全部が許せるわけではないと思うんですけど。でも、やはり・・これから、生きていく、中において、ご主人と、一緒にいた方が、豊かかなあと思うんですけど、そこはいかがですか?

相談者:そう、思いたい・・という気持ちが、80パーセントあるんだけど、20パーセントは、テレビ見てて、「こんなところいいね」って言われたら、「行けるわけないでしょ!」とかね・・・もう・・

回答者:それはでもね、ありますよね。そう言っている自分も、「嫌だな」と思わない方がいいと思いますよ。それは。

相談者:そう言ってる自分が、嫌だ・・・

回答者:そうそうそう。そう言っている自分が、多分、なんかこう、いけないことだったり、許してないってことに対して、自分を責めてしまってるのかな?っていう気持ちがすごく・・強いんですね?。でも・・

相談者:うん

回答者:これはもう、一方的にね、ご主人が、悪かったことだし。消すことはできないことですよね?、やっぱりね。

相談者:できない・・うん、そうですね。

回答者:それでいいと思うし、それに対して・・腹立たしいと思う心は、ごくごく・・自然だと思うので、それはそれで、何かこう・・ちゃんと、整理して。畳んでですね、引き出しの中に入れとくような感じですかね。

相談者:うん・・

回答者:そこに、あっていいと思うんです。それを消し去るのは、無理ですよね?、これはね・・

相談者:やっぱし、そうですか。

回答者:消し去る必要は全く・・ないし。でも・・それは、それで、しまっておきながらも、日々これから生きていく人生においては、こっから、お2人でまた思い出もたくさん作れるし。ま、お金の面はね。

相談者:うん・・

回答者:大変だとは思います。こんだけのことなったんで、お金の面はまた・・ちょっと別かもしれませんけど。

相談者:うん

回答者:そして幸いにも、お嬢様お2人がですよ。

相談者:うん

回答者:そこまで、全部分かった段階で、「2人で食事、行ってきなよ」なんて言ってこれる状態まで復旧したのは、大したもんだと思うんですけどね。私はね。

相談者:そうです。

回答者:いやいや、だって・・そのまま別れてても、おかしくないですよ。このケースはね。

相談者:うん・・

回答者:それをも、一応お金は返ってこないにしてもですよ、乗り越えて、今、いらっしゃるわけじゃないですか。そしてそれを・・ご主人も、本当に心から・・お詫びされてると、ま・・4回目がないようにですね。これだけちょっと注意しなきゃいけないと思うんですね。

相談者:もう持ってかれる、お金もないんですが、あははは

回答者:あはは、いやいやいや。なのでそこは、ほんとに・・注意しながら。そのこと以外、客観的に見たら幸せな状況だと私は思ってる。今の状況はね。

相談者:うん

回答者:だって、この件がなければね、無事やってこられたわけだし。お嬢さんたちも、そういう目で見てるということは、やっぱそれが・・お2人のために、いいんじゃないかなと思って言ってくれてると思うんですよね。

相談者:そうですね。

回答者:ええ。

相談者:心の中少し・・整理して。

回答者:そうですね。で、全部消し去らなくていいと思った方がいいと思います。

相談者:うん・・

回答者:人間ってそんなに、スパンと忘れられるもんじゃないし、忘れちゃいけないこともあると私は思いますが。

相談者:うん、

回答者:ただ、いつもそのことばっかり、机の上にこう出しっぱなしになってると。いつもそのことに心捉えるじゃないですか、はっきり言ってね。

相談者:はい

回答者:それは・・まあ、一旦、整理して。こう・・引き出しにちょっと入ってる。ここに入ってるってことはわかってですね、これからの人生、ぜひですね、またね、ほんとにね、お孫さんもいるし。ひ孫まで見れるかもしれないですよ。このパターンでいくとね。

相談者:いや、いや、いや、あはは

回答者:そしたらやっぱり、人生、生きてきてよかったなあと、思っていただけるんじゃないかなあと思うので。

相談者:はい、そうですねえ。少し、自分の心の中の整理をつけていきたいと思います。

回答者:そうですか。

相談者:ありがとうございました。

パーソナリティ:おわかりいただけましたか?

相談者:はい

パーソナリティ:ハッキリ言って、あなたは、実は、ご主人が、好きなんですよ。

相談者:・・好きかなああ?ふふふ

パーソナリティ:たから全然別れられないし。文句も、今、一生懸命言ってるし。

相談者:うん・・

パーソナリティ:どうでもいい人だったら、そうは言わないと思うの・・

相談者:そっかあ・・そこはあんまり気がつかなかったんですけど・・

パーソナリティ:バッチリ、気が付いてください。

相談者:はい

パーソナリティ:だから、あなたがご主人を好きな以上しょうがないので、ご自分の心の中に、ご「主人が好きなんで仕方なく私は、嫌でも付き合っちゃう」っていう。

相談者:あはは いや・・それって、ピッタリかもしれない。

パーソナリティ:で、「ほんとに嫌いになった時には、別れてやるから」って。そう思いながら、生活してみたら?

相談者:そうですね。

パーソナリティ:だから、無理やり・・前と同じようにご主人のこと愛してよとかって、思わないでいいと思いますよ?

相談者:そっかあ。私、心狭いなとか、思ってたんだけど・・

パーソナリティ:そういうこと思わないで。

相談者:うん

パーソナリティ:これが当たり前で、自分が、「旦那のこと好きなんだから、しょうがないか」みたいな。

相談者:はい。少し心の整理が・・

パーソナリティ:できた?

相談者:このことは、もう一度、自分の頭ん中で考えてみます。

パーソナリティ:はい。

相談者:ありがとうございます。

パーソナリティ:はい、じゃ、失礼します。

相談者:失礼いたします。

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