『テレフォン人生相談』より。
47歳の相談者は糖尿病と腎不全で透析を受けており、会社を退職。家庭内別居状態から夫婦関係が悪化し、妻と離婚協議中です。退職金1100万円のうち、半分を要求されており、既に550万円はリフォーム費用で消費。また、目が見えなくなったため保険金800万円が支給され、うち600万円を子供の学費に充てました。残る資金を今後の生活に充てるため、慰謝料の負担額について法的助言を求めています。
MC:もしもしテレホン人生相談です。
相談者:よろしくお願いいたします。
MC:今日はどういったご相談ですか?
相談者:離婚問題の件でちょっとお伺したいなと思いましてお電話させていただきました。
MC:あなたおいくつ?
相談者:47歳です。
MC:奥様は?
相談者:45です。
MC:お子さんはいらっしゃいますか?
相談者:長男は21歳。長女は19。次男は16です。
MC:そうするとまだ皆さんお家にいらっしゃるのかな?お子さんは。
相談者:はい。全て学生です。
MC:はいわかりました。あなた会社員でらっしゃる?
相談者:実はですね。ちょっと病気が原因でですね。会社の方はもう退職をしているんですけども。
MC:そうなんですか。ご病気は差し支えなかったら。
相談者:ちょっと糖尿の方が原因で、ちょっと目の方を。あと腎臓の方を透析をやってるんですけども。
MC:そうなんですか。あなた自身がこれだけご病気をお持ちだと大変だろうと思うんだけど。で、離婚問題ですか。
相談者:はい。2年ぐらい前からこういう状況になったんですけども、その前からですね、夫婦仲がちょっと悪くて、今私が単身赴任で外出たもんで、普段それほど顔を合わすことがなかったもんで。
MC:はい。
相談者:子供がまだ中学生ということもあったもんで、下の子が。そのまま離婚の話はせずに家庭内別居みたいな形でですね、そのまま夫婦生活を続けてたんですけども。
MC:はい。
相談者:私が病気になりましてから、会社の方を単身から戻りまして自宅療養ということで戻ってきたことをきっかけに同居するようになったんですけども。
MC:はい。
相談者:以前のことはまお互い無しということでまやり始めたんですけども。
MC:ちょっと待って。その以前の問題は無しの有りのものは何?
相談者:私の借金問題ともあったんですけども、家にはちゃんと・・・
MC:あなたの借金問題。
相談者:はい。生活費というものはちゃんと入れたんですけども。
MC:借金の額は相当あるんですか?
相談者:これはもう全部終わってるんですけども。そういうのが原因で色々揉めたりしておりまして。
MC:この借金は何でされた借金?
相談者:まあ一応私単身赴任してたもんで、やはり遊ぶお金だとかが足りなくてですね。
MC:遊ぶお金。
相談者:はい。女性問題とか、そういうのはあまりないんですけども。
MC:お酒の飲みすぎ?
相談者:そうですね。
MC:それで腎臓も悪くしちゃったわけね。
相談者:そうです。
MC:糖尿病から来たわけね。
相談者:はい。
MC:単身はどれぐらい続いたんですか?2年前からだけ?
相談者:単身はですね、もう5年ぐらい行ってました。
MC:じゃこの間にだんだん悪くなっちゃったのかな?
相談者:だと思いますけども。
MC:なるほど。それで自宅療養をされていて、療養期間は何年ぐらいですか?
相談者:ま、その間まあの子供が受験等とかがありましたんで、実家の方でちょっとお世話になってたんです。1年間ぐらいですね。
MC:なるほど。ご自宅のお父様いくつ?
相談者:親父はのいません。母親とあと実家に姉夫婦がいますもんで、そちらの方で世話になってました。
MC:ここで療養された経緯は?
相談者:子供が3人いるもんで、賃貸マンションだったもんで、私が戻るとなかなか・・・
MC:なるほど。
相談者:あと色々やることが出てくるということで、ちょっと大変だということでですね。
MC:そうでしょうね。わかりました。それでその2年間はなんとなく何も言わずに過ごしてしまったが、ここへ来て離婚しようと。これは話し合いになったわけ?
相談者:そうですね。色々日々のやっぱりお互いの不満が溜まってですね、喧嘩になりまして。それで出ていけという話を私がしまして。
MC:あなたが出ていけとおっしゃった。
相談者:はい。普段の態度からもうそういうのがも、まなんて言うんですかね・・・合わないっていうのがもう分かってましたんで。
MC:その合わないっていう喧嘩の内容を知りたいんですけど。
相談者:私なんかもこう体が不自由になってから、極力わがままっていうのは言わないようにしてるんですね。みんなに迷惑かからないように。
MC:はい。
相談者:でもそれがもう「やってやってる」っていうのが目に見えてきたのと、あと日々の生活費はちゃんと私今でも入れてるんですけども、稼ぎが足りないから私がパートに出てやるんだとかって、そういう一言だとかそういうのがたまりに溜まって。
MC:えっと奥様今パートに出てらっしゃるの?そうすると日々はどうしてらっしゃるの?まず実家で静養されてたんだけど、戻られたわけ?
相談者:今、実家の母が持っていた持ち物があったんですけども、そこが賃貸として貸してたんですね。そこをリフォームして一緒に住むように。
MC:ああなるほどね。そうすると離婚をしたいのはあなたね?
相談者:お互いですね。
MC:そこで今日のご質問になりそうな離婚問題での問題点は何?
相談者:実は慰謝料の問題なんですけども。
MC:うんうん。
相談者:私の方は今収入っっていうのは障害年金の方もらってるんですけども、その他に会社退職時に退職金っていうのが入りました。それが約1100万あるんですけども、それを半分よこしてくれたらすぐ出ていくっていう話をされたんですね。
MC:はい。
相談者:実はその1100万については、この家に住む時に下と上が別々に貸したもんで、家のリフォームということで550万をそちらの方から捻出してるんですよ。
MC:なるほど。
相談者:実質はもうその550万しかないんですけども。その1100万についての半分をよこしてくれという話をされてます。
MC:ちょっと待って。リフォームをしてこの家に住むということについては奥様も了解したんでしょ?
相談者:はい、了解しました。
MC:で、これは何ヶ月前ぐらいの話?
相談者:これはもう約2年前です。
MC:そして今回退職をした。
相談者:はい。
MC:2年前はまだ退職してらっしゃらなかったのよね。
相談者:はい。まだ会社の方でですね、休職という形でまだ在籍の方をさせていただきましたんで。
MC:そうするとこのお金の流れなんだけれども、その退職金をもらったのは今回でしょ?
相談者:はい。
MC:で、そのうちの550万っていうのはもう2年前に退職金を目当てにしてリフォーム用に使ってしまったっていうこと?
相談者:そうです。実家の親に建替えといてもらった分をですね。
MC:なるほど。でそれをもう返しちゃった。
相談者:はい。
MC:そうすると実際の退職金の残りは550万。
相談者:はい。
MC:ところが奥様は退職金と称するお金の1100万を半分ずつにして残りの550万をくださいと。そうすれば離婚しましょうという話なのね。
相談者:はい。あとその他にですね、結局もう目の方が全盲になりましたんで、保険をかけてたもんで、死亡金みたいな形で全額出たんですよ。それが約800万ぐらい降りてるんですね。
MC:ああなるほどね。
相談者:これについては要は子供たちの学費があるということで、200万ずつを3人。これは学資保険にプラスして入れたということで、残り200万あるということなんですけども、これについては自分のパート代から出してるということで財産としては関係ないということで、これは渡す気がないという風に言われてる。
MC:うん。
相談者:最悪はもう渡してやってもいいんですけども、私もこれからの生活があるもんで、法律的にどういう金額を払えばいいのかっていうのもちょっと確認を取りたいなということで。
MC:なるほどね。そういうことね。
相談者:そういうことでちょっと今回ご相談させていただきました。
MC:今日はですね、弁護士の浅野貴志先生がいらしてますので伺ってみたいと思うんですが、先生よろしくお願いいたします。
相談者:よろしくお願いいたします。
回答者:よろしくお願いします。えっと何点か確認させていただきたいんですけれども、リフォーム代というのは退職金を受け取られる前にかかっているわけですよね。
相談者:はい、そうです。
回答者:それはどういう名目で、どこから支出されたんですか?
相談者:実はですね、そのお金ははまだ私が全然元金がなかったもんで、住む時に要はこれ分割で払うということで母親と約束しまして、リフォームの方を実施していただいたんですね。母親に。で、その時かかったお金っていうのは母が負担をしておりました。
回答者:分かりました。えっとそうしますとですね、離婚にあたって問題だという風にお考えになっていらっしゃる慰謝料という表現を使われておられましたけれども、これ慰謝料というよりは財産分与と言いましてね、ご夫婦が共同で作り上げた財産を分けると・・・こういう話として捉えていると思われます。
相談者:はい。
回答者:そうするとですね、共有の財産だと言われるものを分けることになるんですが、まずその退職金についてなんですけれども、これは離婚をする時点ですでに払われている退職金というのは財産分与の対処になるという風に考えられています。
相談者:はい。
回答者:ただしそれをね、元々そのリフォーム代の返済に当てるんですよという話が前もってあって、それは奥さんも了解していて、一緒に実際にそのリフォームした後に住んでたじゃないかと。
相談者:はい。
回答者:で、その中から退職金の中からお母様に少しずつ返していたじゃないかというようなことがあればね、それはその奥さんも了解済みのことなわけですから、出ていく出ていかないに関わらず本来お母様に返すべきものですよねという話になりますね。
相談者:そうですね。
回答者:そこはあなたの方のご主張として、そうだっただろうという話はしてもよろしいんだと思います。
相談者:はい。
回答者:で、次の保険金がなかなか難しい問題なんですが、これ財産分与ということなので、話し合いでまとまらなければ法的な手続きを取ることになると思うんですね。
相談者:はい。
回答者:で、その法的な手続きを取るという段階で、そこでの話し合いも難しいようであれば、双方が資料を出し合って然るべき割合で分けるというような判断を求めることにはなると思います。
相談者:はい。
回答者:で、その段階では今隠れているような何に使ったか分からないようなもの・・・例えば生活費として通常使われるものであれば、あなたの方で納得できるんでしょうし、生活費に月このぐらいかかっているいう風な計算をしていって、その家計の方に渡していたお金と比較してね、残ってるものが少なすぎるというようなことであれば、そのなぜ少なくなってるのかというのを資料を出してもらうというようなことも考えられなくはないと思います。
相談者:あー。
回答者:ただそれはいずれにしても裁判になった場合と、裁判ってのは訴訟だけではなくて、調定ということも考えられますけれども、そういうようになってからのことになりますのでね、まずその話し合いをしている中で資料出し合って、これなら納得できるねというところで話がつけば一番穏やかだろうとは思いますけれども。
相談者:はい。
MC:お分かりいただけましたでしょうか。
相談者:分かりました。
MC:あの多分ね、お分かりいただいても、この問題をお2人の間で解決するのは無理のように思えますが。
相談者:はい。
MC:浅野先生もちらっとおっしゃったけど、法的な機関として、調停にまず出されるのがいいんじゃないですかね。
相談者:そうですね。
MC:というのはね、要するに財産分与そのものの考え方を奥様はちゃんと持ってないと思う。
相談者:はい。
MC:財産分与ってのは夫婦がお互いに生活始めて生活してる時に築き上げた財産を二分にするという話だから、奥様も結局自分が持っているものも見せなきゃいけないっていうことを気がついてないんじゃないかな。
相談者:はい。
MC:というようなことを考えると、まず財産分与をしてみて、出てく出てかないの話でどっち側に心に痛手を負ったかっていうことで慰謝料の話をして、なおかつお互いにどっちがお子さんを親権とって育てるかっていうことになったら、今度は養育費の話をしてって、法律的には決められてるものがみんなあるはずだから、それをひとつずつ組み立てていかないと、全体を見ないと、あなたがどれを出して奥さんはどれを取って、奥さんはどれの部分だけは出さなくてよくてみたいな話にはならないと思うんですよ。
相談者:はい。
MC:で、それをお2人で喧嘩腰になってやってても、埒あかないと思うのね。
相談者:そうですね。
MC:だから離婚するって本当に決めたのならば、もうあとは調停でお互いにご自身の持っているものを・・・さっきその浅野先生がおっしゃったように出し合って、そしてこれが何にあたってどういう風に分けるかっていうのは法的に決めた方がいいんじゃないですかね。
相談者:そうですね。分かりました。
MC:よろしいですか。
相談者:はいすいません。どうもありがとうございます。助かりました。
MC:どうも失礼いたします。