7月21日放送TBSラジオ「伊集院光とらじおと」より。
大橋巨泉の訃報を受け、伊集院光が巨泉の司会術の凄さを語った。更にクイズ番組で共演した際に、ビートたけしを「たけし」と呼ぶのと同じトーンで「伊集院」と呼び捨てにされたのが嬉しかった事を明かした。
伊集院光:
僕はプロになって初めて、大橋巨泉の司会術の凄いなって思うところは、クイズの解答を一斉に開けずに誰から開けましょうっていうのをその場で仕切る。それを一番面白く仕切るっていう。
嗣永桃子:
はい。
伊集院光:
例えば、全員このクイズが難しくて不正解ってなってる時に、誰から開けるとか、それが上手いんだよね。
有馬隼人:
はい。
伊集院光:
はらたいらさんって方は凄くクイズが得意で、この人が当たる確率が凄く高いの。
嗣永桃子:
はい。
伊集院光:
「この人をどこで開けるか」みたいな。「まず、はらたいらさんを開けてください」って言って、はらたいらさんが一人だけ正解してるのを開けた時に、残り全員を「一斉にドン!」って開けると残り全員も合ってるという…とっさにやる司会術の上手さと、あとキャラクターを固定させる…
嗣永桃子:
はい。
伊集院光:
今は番組を構成してる放送作家やディレクターがキャッチフレーズを付けるんですね。ひとりひとりに。
嗣永桃子:
うん。
伊集院光:
あれは巨泉さんが『三択の女王・竹下景子』とかゲストによって「この人はこのクイズが得意な人なんですよ」とかそういうの付けてくるの。
有馬隼人:
うん。
伊集院光:
チャック・ウィルソンさんが『まるごとHOWマッチ』で値段を当てるクイズを必ず少なく言うのね(笑)10万円が正解なのに「5千円」って必ず言うわけ。
嗣永桃子:
ははは
伊集院光:
本当は1000ドルのものを「100ドル」って言うわけ。ケチのチャックで『ケチャック』ってアダ名付けたの覚えてる。
有馬隼人:
覚えてる(笑)
嗣永桃子:
えー!
伊集院光:
そういうキャッチフレーズで視聴者の人に「この人はこういうキャラクターなんですよ」ってやらせるのが上手な人で、今、クイズを解答を開ける順番のああいう術をキチンとやってるクイズ司会者は…ディレクターの指示じゃなくてね、本人の機転でやってる人は草野さんが『ふしぎ発見』で付いでるくらいかな。
有馬隼人:
うんうん。
伊集院光:
草野さんも、僕みたいなのが言うのもなんですけどお上手なんですよ。そういうドラマ性のもたせ方をとっさに割り振るのがお上手で、そうねぇ…「倍率ドン!」って言葉を使い始めたのは、未だに使う人いるよね?
有馬隼人:
います、います!
伊集院光:
「倍率ドン!」とか正解発表する時に「誰々の答え、ドン!」とか言うのは大橋巨泉さんが『クイズダービー』で…
有馬隼人:
そうですよね。
嗣永桃子:
えー!
有馬隼人:
大好きでしたね。
伊集院光:
「一斉にドン!」っていうのは巨泉さんだから。
嗣永桃子:
えーっ
伊集院光:
爆笑の田中さんとか未だに使いますね(笑)クイズの司会をやると必ず「伊集院の答えをドン!」(笑)
嗣永桃子:
ははは
伊集院光:
すごい影響があるんですけどね、何だか本当に残念で…僕、それこそクイズ番組『Qさま』でご一緒させてもらって。数年前くらいに。
有馬隼人:
はい。
伊集院光:
嬉しかったのは、たけしさんを「たけし!」って言うのと同じトーンで「伊集院!」って呼び捨てにされる感じ(笑)いわゆる呼び捨てにする司会者の草分けなんだけど、それがちょっと嬉しくて、別け隔てなく呼び捨てにする感じが嬉しかったですね。